花籠を吊り下げて

花籠を吊り下げて
1799年1月にフランスに導入された見世物からその名を得たと言われている。
パノラマとは当時流行していたパノラマ館において観られる円筒絵画のことで、パノラマ画家プレヴォーによる重要作品は、長さはおよそ100メートル、高さは20メートルあった。世界のいろいろな都市をあたかも中央の建物のてっぺんの手すりで囲われた平屋根から地平線を見渡すように眺められる仕掛けになっている。
元はと言えば、フランス革命後の混乱期に一山当てようとした山師たち、その中の2人のアメリカ人により造られ隣あった2つのパノラマの間に、通路として建設されたものだった。

下の写真の中央、天井から吊り下げられたガス灯が、当時このパサージュの売り物だった。
1815年12月1日にイギリス人ウィンザーによりパリへガス灯の輸入が認められた。1817年1月には、このパサージュへ試験的に導入された。しかし最初からここの住人たちに快く受け入れられたわけではない。危険だし大気を汚染すると非難されたのだ。その後徐々に認められついにはパリ市内のすべての街路と公共の場で使用されることとなった。

講釈はひとまずこのぐらいにして、このパサージュの魅力を下の何枚かの写真からじっくりと味わってみてほしい。

先ほどの柱周りと同じように、どの店も一様に照明器具から花籠を吊り下げている素朴で温かみが感じられるディスプレイ。パサージュ全体の雰囲気作りに一役かっている。

そうかと思えばこんなふうに雑造作に自然のままに置かれている植物たち。

床にも注目してほしい!一つ上の写真でもよくわかるが、所々タイルが剥がれたまま放置されている一見継ぎはぎだらけ?に見える床。一方、下の写真のように部分的にいかにも新しく張リ替えましたという感じの現代的なタイル柄の床。前回のギャルリー・ヴィヴィエンヌの床を飾る素晴らしいモザイクタイルを思い出して比べてみてほしい!
だがこの行き当たりばったりのチグハグな感じ、これはこれでなんともこのパサージュの魅力に繋がっているように思えるのは私だけだろうか?
どこか下町風で懐かしい味のある散歩道としての。

パノラマの魅力はさておき、今度はレストランの前に張り出したテーブルの敷地部分にに改めて注目してみたい。下の2枚の写真、歩道の残りのスペースは人一人が通り抜けるのがやっとの狭さである。


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私気になって
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 私気になって (2015-09-01 17:52)

Posted by wushueri at 12:35│Comments(0)four
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